銀行融資の融資期間に影響する耐用年数とは?基本をおさらい!

不動産投資 融資 耐用年数

不動産投資で気になるポイントの一つである、融資を受けるにあたっての購入予定物件の「耐用年数」。

収益物件を購入する際にはあらかじめ耐用年数を考慮しておかないと、毎月のキャッシュフローを圧迫しかねません。

今回は銀行が融資期間を決める際に重要な要素とされる「耐用年数」について詳しくご紹介します。

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1 そもそも耐用年数とは何か?

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耐用年数とはその正式名称を「法定耐用年数」と呼びます。

簡単に言うと「ある建物や設備がどれくらいの期間に渡って物理的に使用可能か」その見積もり期間を法律で定めたものです。

例えば、今あなたの住んでいる家が「鉄筋コンクリート構造で築10年の一軒家」だった場合を考えてみましょう。

鉄筋コンクリート構造の住宅用建物の場合、法定耐用年数は47年と定められています。

つまり、法律上では、鉄筋コンクリート構造の住居物件は新築時から47年間に渡って使用可能であると見なされるわけです。

例では建築から既に10年経過しているという設定ですので、耐用年数は47年−10年 で残り37年ということになります。

2 建物の構造によって耐用年数は異なる

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耐用年数は、建物の材質や構造によって異なる年数が定められています。

以下、国税庁の公式ホームページに掲載されている耐用年数一覧表から一部抜粋して、まとめたものです。

不動産投資 耐用年数一覧 国税庁一覧
築古物件に多くみられる「木造」建物の耐用年数は、鉄筋コンクリートよりも25年も少ない「22年」です。先ほどの例で説明した「鉄筋コンクリート構造」の建物は上から3行目の項目に「47年」としっかり記載されているのがわかります。

さらに「金属造」の場合には、骨格材の厚みごとに19年・27年・34年とかなり細かく耐用年数が決められています。

同じ「建物」であるにも関わらず、材質や構造の違いによって耐用年数にここまでの明確な差がつけられているのです。

3 不動産投資の融資と耐用年数との関係は?

不動産投資 耐用年数と融資 関係

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不動産投資を行う際には、ほとんどの方が金融機関の提供する「不動産投資ローン」若しくは「アパートローン」を利用します。

このようなローンには都市銀・地銀・ノンバンク問わず必ず融資担当者による厳格な「融資審査」が付きものです。

そして、この融資審査において「耐用年数」は、銀行側が「貸したお金を何年で返済してもらうか」つまり「融資期間」を検討する際の重要な判断材料として用いられます。

基本的にこの耐用年数の残り(残存耐用年数)がわずかであるほど、銀行側から提示される融資期間は短くなってしまいます。

融資期間が短かければ短いほど、相対的に毎月の返済額は増えるため、家賃収入よりも返済額の方が大きくなってしまう事態に陥りかねません。

例えば8,000万円の物件を30年で返済した場合と、15年で返済した場合の毎月の支払額をシミュレーションしてみましょう。

8,000万円を30年で返済する場合…8,000万円 ÷ 360ヶ月 = 毎月約22万円の返済

8,000万円を20年で返済する場合…8,000万円 ÷ 240ヶ月 = 毎月約33万円の返済

このように融資期間が30年と20年では、毎月の返済額に10万円以上の差が生まれます。

毎月の資金繰りが悪化すれば、最悪の場合、物件を手放すことになるでしょう。

このことからも、耐用年数は不動産投資を行う上で非常に重要な要素であることがわかります。

4 耐用年数がそのまま融資期間となるわけではない

不動産投資 耐用年数

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耐用年数は、銀行が融資期間を決定する上で非常に重要な判断材料であることは確かです。

しかしながら、耐用年数はあくまで「目安」であり、耐用年数 = 融資期間となるわけではありません。むしろ残存耐用年数よりも短い融資期間を提示されるケースもあります。

例えば、「鉄筋コンクリート構造築15年のアパート」を購入する場合を考えてみましょう。

先ほどの耐用年数表を参照すると、鉄筋コンクリート構造の場合「47年」という耐用年数が定められていますので、ここから築年数15年を差し引くと残存耐用年数は32年です。

しかしながら残存耐用年数が32年でも、そのまま32年の融資期間を提示されず、実際に提示される融資期間は25年前後となることもあります。

加えて、もしあなたが不動産投資初心者で尚且つ他銀行で借り入れを行なった実績などがない場合には、融資期間はもっと短く設定されてしまう場合もあります。

賃貸需要の比較的少なめな郊外の物件を購入する場合も然りです。

耐用年数だけではなく、個人の信用力や物件の担保価値など総合的に考慮されるということを忘れないようにしてください。

5 さらに厳しい経済的残存耐用年数という考え方

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審査の厳しい銀行だと、通常の法定耐用年数よりも厳格な「経済的残存耐用年数」という考え方を用いて融資期間を算出する場合があります。

経済的残存耐用年数とは、物件の物理的状態、経済的状況、機能的状況など多角的に考慮し、当該建物が社会の中で稼働できる残りの寿命を示したものです。

銀行が経済的残存耐用年数を指標として用いた場合、提示される融資期間は通常よりも短くなってしまいます。

ここで「鉄筋コンクリート構造築20年」の物件を例に、通常の法定耐用年数と経済的残存耐用年数を比較してみましょう。

法定耐用年数ベースの場合…47年−20年=27年

経済的残存耐用年数ベースの場合…40年−20年=20年

両者は「鉄筋コンクリート構造築20年」という同じ条件であるにも関わらず、適用される基準の違いのせいで7年もの差がついてしまっています。

しかもここから更に期間が短縮される可能性が高いため、実際の融資期間はもっと短くなるでしょう。

ちなみにメガバンクや有力地方銀行の融資を申し込む際には、この経済的残存耐用年数という考え方が採用されている場合もありますので注意するようにしてください。

6 耐用年数を経過していたら借り入れはできない?

不動産投資 耐用年数 

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一般的に、法定耐用年数を過ぎてしまった物件は「無価値」とされています。

つまり「耐用年数を経過した物件=担保価値を有していない」と判断されるため、融資を受けることが難しくなってしまうことは確かです。

ただし、耐用年数を過ぎていたら銀行から絶対に融資をしてもらえないかというと、必ずしもそういうわけでもありません。

場合によっては、耐用年数オーバーの融資をしてくれる可能性もあります。

その場合、耐用年数に関して寛容な銀行選びが重要となってくるでしょう。

7 耐用年数越えの融資を行なってくれる可能性のある銀行は?

不動産投資 耐用年数越え 融資

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基本的に大手都市銀行などでは、耐用年数越えの物件に融資を行うことはありません。

一方で地方銀行の中では、一部で耐用年数の過ぎた木造物件などにも融資を行う場合もあるようです。

有名な銀行として以下の2つをご紹介いたします。

7-1 静岡銀行

通称「しずぎん」の名で親しまれている、静岡県に本拠地を置く第一地方銀行 静岡銀行。

横浜銀行や千葉銀行と並ぶ、大手地銀として知られています。

地方銀行は本来、本社所在地周辺にしか貸し出しを行わない地域密着型ですが、静岡銀行の場合は東京・神奈川・大阪・愛知なども融資対象エリアとしている点が特徴です。

有力地方銀行というだけあって要求される属性の基準は高めですが、耐用年数を過ぎた木造物件にも融資を行なった実績があります。

公務員や上場企業の方など属性面に自信のある方は、静岡銀行での融資を検討してみても良いでしょう。

7-2 スルガ銀行

スルガ銀行は、静岡銀行と同じく静岡県東部に本拠地を置く地方銀行として有名です。

耐用年数を過ぎた物件や木造物件などにも長めの融資期間を提示する場合が多いため、毎月の持ち出しをなるべく抑えてキャッシュフローを増やしたい方に向いています。

審査スピードも圧倒的で、通常の銀行が2週間から1ヶ月程度の時間を要するのに対して、スルガ銀行はなんと最短3営業日!

今すぐ買わなければ他の人に取られてしまうような優良物件を購入する際にも強い味方となってくれるでしょう。

ただし、スルガ銀行の融資ターゲットは静岡銀行同様「高属性サラリーマン」なので、属性面に関してのハードルは高めに設定されています。

しかも金利は〜4.5%なので、融資期間が長ければ長いほど支払総額は相対的に高くなってしまいます。

スルガ銀行を利用する際には、そのメリットとデメリットをよく理解してから申し込むようにしてください。

8 耐用年数越えの融資を受ける際の注意点

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スルガ銀行や静岡銀行など、耐用年数越えの融資を行なってくれる金融機関は確かに存在します。

しかしながら、そこには当然リスクもつきまとうことを覚悟しなくてはなりません。

例えば、金利面などでもっと優れた銀行に借り換えを行いたいと考えた際、耐用年数超え物件に融資をしてくれる銀行は限定されてしまいます。

そのため借り換えは基本的に難しいと考えるべきでしょう。

また、先ほども説明した通り、耐用年数超えの物件は基本的に「無価値」です。つまり担保になるだけの価値を有していません。

基本的には、当該物件価値よりも残債務の方が上回っている状態=債務超過となってしまいます。

超過分は信用毀損となるため、たとえ他銀行から追加融資を受けたくても融資が下りる可能性が低くなってしまいます。

まとめ

今回は耐用年数について網羅的にご紹介しました。

耐用年数は、銀行が融資期間を決定する際の非常に重要な指標です。

融資期間は、運用後のキャッシュフローなどにも大きな影響を与えます。

あらかじめ念入りなプランニングとシミュレーションを行うようにしましょう。

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